成年後見制度ってどんな制度ですか?
認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。
成年後見制度にはどのようなものがあるのですか?
成年後見制度は,大きく分けると,法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
また,法定後見制度は,「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており,判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。
法定後見制度においては,家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が,本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をしたり,本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり,本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって,本人を保護・支援します。
(※任意後見制度については,Q15をご覧ください。)
◇法定後見制度の概要◇
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後見 |
保佐 |
補助 |
対象となる方 |
判断能力が欠けているのが通常の状態の方 |
判断能力が著しく不十分な方 |
判断能力が不十分な方 |
申立てをすることができる人 |
本人,配偶者,四親等内の親族,検察官など
市町村長(注1) |
成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)の同意が必要な行為 |
-
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民法13条1項所定の行為
(注2)(注3)(注4) |
申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(民法13条1項所定の行為の一部)(注1)(注2)(注4) |
取消しが可能な行為 |
日常生活に関する行為以外の行為 |
同上(注2)(注3)(注4) |
同上(注2)(注4) |
成年後見人等に与えられる代理権の範囲 |
財産に関するすべての法律行為 |
申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注1) |
同左(注1) |
(注1) |
本人以外の者の請求により,保佐人に代理権を与える審判をする場合,本人の同意が必要になります。補助開始の審判や補助人に同意権・代理権を与える審判をする場合も同じです。 |
(注2) |
民法13条1項では,借金,訴訟行為,相続の承認・放棄,新築・改築・増築などの行為が挙げられています。 |
(注3) |
家庭裁判所の審判により,民法13条1項所定の行為以外についても,同意権・取消権の範囲を広げることができます。 |
(注4) |
日常生活に関する行為は除かれます。 |
「後見」制度ってどんな制度ですか?
A3
精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)により,判断能力が欠けているのが通常の状態にある方を保護・支援するための制度です。この制度を利用すると,家庭裁判所が選任した成年後見人が,本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をしたり,本人または成年後見人が,本人がした不利益な法律行為を後から取り消すことができます。ただし,自己決定の尊重の観点から,日用品(食料品や衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」については,取消しの対象になりません。(Q2の◇法定後見制度の概要◇をご参照下さい。)
「後見」制度を利用した事例を教えてください。
A4
次のような事例があります。
○ 後見開始事例 |
ア |
本人の状況:アルツハイマー病 イ 申立人:妻 ウ 成年後見人:申立人 |
エ |
概要
本人は5年程前から物忘れがひどくなり,勤務先の直属の部下を見ても誰かわからなくなるなど,次第に社会生活を送ることができなくなりました。日常生活においても,家族の判別がつかなくなり,その症状は重くなる一方で回復の見込みはなく,2年前から入院しています。
ある日,本人の弟が突然事故死し,本人が弟の財産を相続することになりました。弟には負債しか残されておらず,困った本人の妻が相続放棄のために,後見開始の審判を申し立てました。
家庭裁判所の審理を経て,本人について後見が開始され,夫の財産管理や身上監護をこれまで事実上担ってきた妻が成年後見人に選任され,妻は相続放棄の手続をしました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
「保佐」制度ってどんな制度ですか?
A5
精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)により,判断能力が著しく不十分な方を保護・支援するための制度です。この制度を利用すると,お金を借りたり,保証人となったり,不動産を売買するなど法律で定められた一定の行為について,家庭裁判所が選任した保佐人の同意を得ることが必要になります。保佐人の同意を得ないでした行為については,本人または保佐人が後から取り消すことができます。ただし,自己決定の尊重の観点から,日用品(食料品や衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」については,保佐人の同意は必要なく,取消しの対象にもなりません。また,家庭裁判所の審判によって,保佐人の同意権・取消権の範囲を広げたり,特定の法律行為について保佐人に代理権を与えることもできます(※)。
※ |
保佐人の同意権・取消権の範囲を広げたり,保佐人に代理権を与えるためには,自己決定の尊重から,当事者が,同意権等や代理権による保護が必要な行為の範囲を特定して,審判の申立てをしなければなりません。また,保佐人に代理権を与えることについては,本人も同意している必要があります。この申立ては,保佐開始の審判の申立てとは別のものです。 |
「保佐」制度を利用した事例を教えてください。
A6
次のような事例があります。
○ 保佐開始事例 |
ア |
本人の状況:中程度の認知症の症状 イ 申立人:長男 ウ 保佐人:申立人 |
エ |
概要
本人は1年前に夫を亡くしてから一人暮らしをしていました。以前から物忘れが見られましたが,最近症状が進み,買物の際に1万円札を出したか5千円札を出したか,分からなくなることが多くなり,日常生活に支障が出てきたため,長男家族と同居することになりました。隣県に住む長男は,本人が住んでいた自宅が老朽化しているため,この際自宅の土地,建物を売りたいと考えて,保佐開始の審判の申立てをし,併せて土地,建物を売却することについて代理権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て,本人について保佐が開始され,長男が保佐人に選任されました。長男は,家庭裁判所から居住用不動産の処分についての許可の審判を受け,本人の自宅を売却する手続を進めました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
「補助」制度ってどんな制度ですか?
A7
軽度の精神上の障害(認知症・知的障害・精神障害など)により,判断能力の不十分な方を保護・支援するための制度です。この制度を利用すると,家庭裁判所の審判によって,特定の法律行為について,家庭裁判所が選任した補助人に同意権・取消権や代理権を与えることができます(※)。ただし,自己決定の尊重の観点から,日用品(食料品や衣料品等)の購入など「日常生活に関する行為」については,補助人の同意は必要なく,取消しの対象にもなりません。
※ |
補助人に同意権や代理権を与えるためには,自己決定の尊重の観点から,当事者が,同意権や代理権による保護が必要な行為の範囲を特定して,審判の申立てをしなければなりません。この申立ては,補助開始の審判とは別のものです。なお,補助に関するこれらの審判は,本人自らが申し立てるか,本人が同意している必要があります。 |
「補助」制度を利用した事例を教えてください。
A8
次のような事例があります。
○ 補助開始事例 |
ア |
本人の状況:軽度の認知症の症状 イ 申立人:長男 ウ 補助人:申立人 |
エ |
概要
本人は,最近米を研がずに炊いてしまうなど,家事の失敗がみられるようになり,また,長男が日中仕事で留守の間に,訪問販売員から必要のない高額の呉服を何枚も購入してしまいました。困った長男が家庭裁判所に補助開始の審判の申立てをし,併せて本人が10万円以上の商品を購入することについて同意権付与の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て,本人について補助が開始され,長男が補助人に選任されて同意権が与えられました。その結果,本人が長男に断りなく10万円以上の商品を購入してしまった場合には,長男がその契約を取り消すことができるようになりました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
成年後見人等には,どのような人が選ばれるのでしょうか?
A9
成年後見人等には,本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて,家庭裁判所が選任することになります。本人の親族以外にも,法律・福祉の専門家その他の第三者や,福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。また,成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります。
親族以外の第三者が成年後見人に選任された事例を教えてください。
A10
次のような事例があります。
○ 親族以外の第三者が成年後見人に選任された事例 |
ア |
本人の状況:統合失調症 イ 申立人:叔母 ウ 成年後見人:司法書士 |
エ |
成年後見監督人:社団法人成年後見センター・リーガルサポート |
オ |
概要
本人は20年前に統合失調症を発症し,15年前から入院していますが,徐々に知的能力が低下しています。また,障害認定1級を受け障害年金から医療費が支出されています。本人は母一人子一人でしたが,母が半年前に死亡したため,親族は母方叔母がいるのみです。亡母が残した自宅やアパートを相続し,その管理を行う必要があるため,母方叔母は後見開始の審判の申立てを行いました。
家庭裁判所の審理を経て,本人について後見が開始されました。そして,母方叔母は,遠方に居住していることから成年後見人になることは困難であり,主たる後見事務は,不動産の登記手続とその管理であることから,司法書士が成年後見人に選任され,併せて社団法人成年後見センター・リーガルサポートが成年後見監督人に選任されました。 |
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ア |
本人の状況:重度の知的障害 イ:申立人 母 ウ 成年後見人:社会福祉士 |
エ |
概要
本人は,一人っ子で生来の重度の知的障害があり,長年母と暮らしており,母は本人の障害年金を事実上受領し,本人の世話をしていました。ところが,母が脳卒中で倒れて半身不随となり回復する見込みがなくなったことから,本人を施設に入所させる必要が生じました。
そこで,本人の財産管理と身上監護に関する事務を第三者に委ねるために後見開始の審判を申し立てました。
家庭裁判所の審理を経て,本人について後見が開始されました。そして,本人の財産と将来相続すべき財産はわずかであり,主たる後見事務は,本人が今後どのような施設で生活することが適切かといった身上監護の面にあることから,社会福祉士が成年後見人に選任されました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
複数の成年後見人が選任された事例を教えてください。
A11
次のような事例があります。
○ 複数の成年後見人が選任された事例 |
ア |
本人の状況:重度の認知症の症状 イ 申立人:長男 |
ウ |
成年後見人:申立人と本人の二女 |
エ |
概要
本人は夫を亡くした後,一人暮らしをしてきましたが,約10年前から徐々に認知症の症状が現れ,3か月前から入院しています。最近では見舞いに訪れた申立人を亡夫と間違えるほど症状は重くなる一方です。本人の入院費用の支払に充てるため,本人の預貯金を払い戻す必要があり,後見開始の審判が申し立てられました。
家庭裁判所の審理の結果,本人について後見が開始されました。そして,近隣に住んでいる長男と二女が,本人が入院する前に共同して身のまわりの世話を行っていたことから,長男と二女が成年後見人に選任され,特に事務分担は定められませんでした。 |
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ア |
本人の状況:くも膜下出血による植物状態 イ 申立人:妻 |
ウ |
成年後見人:申立人と弁護士 |
エ |
概要
2年前に本人はくも膜下出血で倒れ意識が戻りません。妻は病弱ながら夫の治療費の支払いや身のまわりのことを何とかこなしていました。しかし,本人の父が亡くなり,遺産分割協議の必要が生じたため,後見開始の審判を申し立てました。
家庭裁判所の審理の結果,本人について後見が開始されました。そして,妻は,子どもと離れて暮らしており,親族にも頼る者がいないため,遺産分割協議や夫の財産管理を一人で行うことに不安があったことから,妻と弁護士が成年後見人に選任され,妻が夫の身上監護に関する事務を担当し,弁護士が遺産分割協議や財産管理に関する事務を担当することになりました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
成年後見人等の役割は何ですか?
A12
成年後見人等は,本人の生活・医療・介護・福祉など,本人の身のまわりの事柄にも目を配りながら本人を保護・支援します。しかし,成年後見人等の職務は本人の財産管理や契約などの法律行為に関するものに限られており,食事の世話や実際の介護などは,一般に成年後見人等の職務ではありません。
また,成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして,家庭裁判所の監督を受けることになります。
成年後見の申立てをする方がいない場合は,どうすればよいのでしょうか?
A13
身寄りがないなどの理由で,申立てをする人がいない認知症高齢者,知的障害者,精神障害者の方の保護を図るため,市町村長に法定後見(後見・保佐・補助)の開始の審判の申立権が与えられています。
市町村長が後見開始の審判の申立てを行った事例を教えてください。
A14
次のような事例があります。
○ 市町村長が後見開始の審判を申し立てた事例 |
ア |
本人の状況:知的障害 イ 申立人:町長 ウ 成年後見人:司法書士 |
エ |
概要
本人には重度の知的障害があり,現在は特別養護老人ホームに入所しています。本人は,長年障害年金を受け取ってきたことから多額の預貯金があり,その管理をする必要があるとともに,介護保険制度の施行にともない,特別養護老人ホームの入所手続を措置から契約へ変更する必要があります。本人にはすでに身寄りがなく,本人との契約締結が難しいことから,町長が知的障害者福祉法の規定に基づき,後見開始の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理の結果,本人について後見が開始され,司法書士が成年後見人に選任されました。
その結果,成年後見人は介護保険契約を締結し,これに基づき,特別養護老人ホーム入所契約のほか,各種介護サービスについて契約を締結し,本人はさまざまなサービスを受けられるようになりました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
任意後見制度とは,どのような制度ですか?
A15
任意後見制度は,本人が十分な判断能力があるうちに,将来,判断能力が不十分な状態になった場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人(任意後見人)に,自分の生活,療養看護や財産管理に関する事務について代理権を与える契約(任意後見契約)を公証人の作成する公正証書で結んでおくというものです。そうすることで,本人の判断能力が低下した後に,任意後見人が,任意後見契約で決めた事務について,家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと本人を代理して契約などをすることによって,本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。
任意後見制度を利用して任意後見監督人が選任された事例を教えてください。
A16
次のような事例があります。
○ 任意後見監督人選任事例 |
ア |
本人の状況:脳梗塞による認知症の症状 イ 任意後見人:長女 |
ウ |
任意後見監督人:弁護士 |
エ |
概要
本人は,長年にわたって自己の所有するアパートの管理をしていましたが,判断能力が低下した場合に備えて,長女との間で任意後見契約を結びました。その数か月後,本人は脳梗塞で倒れ左半身が麻痺するとともに,認知症の症状が現れアパートを所有していることさえ忘れてしまったため,任意後見契約の相手方である長女が任意後見監督人選任の審判の申立てをしました。
家庭裁判所の審理を経て,弁護士が任意後見監督人に選任されました。その結果,長女が任意後見人として,アパート管理を含む本人の財産管理,身上監護に関する事務を行い,これらの事務が適正に行われているかどうかを任意後見監督人が定期的に監督するようになりました。 |
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(注)最高裁判所「成年後見関係事件の概況」から
成年後見制度を利用したいのですが,費用はどのくらいかかるのでしょうか?
A17
次のとおりです。
1 法定後見開始の審判の申立てに必要な費用について
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後見 |
保佐 |
補助 |
申立手数料(収入印紙) |
800円 |
800円(注1) |
800円(注2) |
登記手数料(収入印紙) |
2,600円 |
2,600円 |
2,600円 |
その他 |
連絡用の郵便切手(注3),鑑定料(注4) |
(注1) |
保佐人に代理権を付与する審判又は保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判の申立てをするには,申立てごとに別途,収入印紙800円が必要になります。 |
(注2) |
補助開始の審判をするには,補助人に同意権又は代理権を付与する審判を同時にしなければなりませんが,これらの申立てそれぞれにつき収入印紙800円が必要になります。 |
(注3) |
申立てをされる家庭裁判所にご確認ください。 |
(注4) |
後見と保佐では,必要なときには,本人の判断能力の程度を医学的に十分確認するために,医師による鑑定を行いますので,鑑定料が必要になります。鑑定料は個々の事案によって異なりますが,ほとんどの場合,10万円以下となっています。 |
(注5) |
申立てをするには,戸籍謄本,登記事項証明書,診断書などの書類が必要です。これらを入手するための費用も別途かかります。(申立てに必要な書類については,申立てをされる家庭裁判所にご確認ください。) |
(注6) |
資力に乏しい方については,日本司法支援センター(愛称「法テラス」)が行う民事法律扶助による援助(申立代理人費用の立替えなど)を受けることができる場合があります。
詳しくは法テラスの相談窓口(TEL 0570-078374)へお電話ください。また法定後見制度を利用する際に必要な経費を助成している市町村もあります。詳しくは各市町村の窓口へお問い合わせください。 |
2 任意後見契約公正証書の作成に必要な費用について
公正証書作成の基本手数料 |
11,000円 |
登記嘱託手数料 |
1,400円 |
登記所に納付する印紙代 |
2,600円 |
その他 |
本人らに交付する正本等の証書代,登記嘱託書郵送用の切手代など |
成年後見制度を利用したいのですが,申立てから開始までどれくらいの期間がかかるのでしょうか?
A18
審理期間については,個々の事案により異なり,一概にはいえません。鑑定手続や成年後見人等の候補者の適格性の調査,本人の陳述聴取などのために,一定の審理期間を要することになります。多くの場合,申立てから成年後見等の開始までの期間は,4か月以内となっています。
成年後見制度を利用したいのですが,具体的な手続はどのようにすればよいのでしょうか?
A19
1 |
法定後見制度(後見・保佐・補助)のご利用をお考えの方へ
法定後見制度を利用するには,本人の住所地の家庭裁判所(※1)に後見開始の審判等を申し立てる必要があります。手続の詳細については,申立てをされる家庭裁判所にお問い合わせください(※2)。
※ |
1 本人の住所地の家庭裁判所については,裁判所のホームページに掲載されている「各地の裁判所」をご覧ください。
「各地の裁判所」(裁判所のホームページ) |
※ |
2 後見開始の審判の申立て等に関する具体的な手続については,裁判所のホームページに掲載されている「裁判手続の案内:家事事件」のページの「審判」中の「2 成年後見制度に関する審判」をご覧ください。 |
「裁判手続の案内:家事事件」(裁判所のホームページ) |
2 |
任意後見制度のご利用をお考えの方へ
任意後見制度を利用するには,原則として,公証役場に出かけて任意後見契約を結ぶ必要がありますので,手続の詳細については,お近くの公証役場(※)までお問い合わせください。
<成年後見登記制度>
成年後見登記制度とはどんな制度ですか?
A20
成年後見登記制度は,成年後見人などの権限や任意後見契約の内容などをコンピュータ・システムによって登記し,登記官が登記事項を証明した登記事項証明書(登記事項の証明書・登記されていないことの証明書)を発行することによって登記情報を開示する制度です。
登記事務はどこで取り扱うのですか?
A21
東京法務局の後見登録課で,全国の成年後見登記事務を取り扱っています。
なお,登記事務のうち,窓口での証明書交付は,東京法務局及び各法務局・地方法務局戸籍課でも取り扱っています。
どんなときに登記をするのですか?
A22
後見開始の審判がされたときや,任意後見契約の公正証書が作成されたときなどに,家庭裁判所または公証人の嘱託によって登記されます。また,登記されている本人・成年後見人など(※1)は,登記後の住所変更などにより登記内容に変更が生じたときは「変更の登記」を,本人の死亡などにより法定後見または任意後見が終了したときは「終了の登記」を,申請する必要があります。この「変更の登記」「終了の登記」の申請は,本人の親族などの利害関係人も行うことができます。登記の申請は,書留郵便で行うことができます。
ア 「変更の登記」の申請書用紙[PDF]
イ 「終了の登記」の申請書用紙[PDF]
※ 印刷を行う際に,画像がA4縦長の用紙の途中で途切れるときは,印刷設定などにより余白の調整を行ってください。
どのようなときに登記事項の証明書・登記されていないことの証明書を利用できますか?
A23
たとえば,成年後見人が,本人に代わって財産の売買・介護サービス提供契約などを締結するときに,取引相手に対し登記事項の証明書を提示することによって,その権限などを確認してもらうという利用方法が考えられます。また,成年後見(法定後見・任意後見)を受けていない方は,自己が登記されていないことの証明書の交付を受けることができます。
どのように登記事項の証明書・登記されていないことの証明書の交付請求をするのですか?
A24
証明書の交付請求をする場合には,請求者の氏名,生年月日および資格(本人との関係)などを記載した申請書に,収入印紙(手数料)を貼り,必要な添付書面を添えて請求してください(添付書面の詳細については,Q27をご覧ください)。請求は,返信用封筒(あて名を書いて,切手を貼ったもの)を同封して郵送で行うこともできます。
窓口での証明書の交付は,東京法務局の後見登録課及び東京法務局以外の各法務局・地方法務局戸籍課で行っています。
誰が登記事項の証明書・登記されていないことの証明書の交付を請求できるのですか?
A25
証明書の交付を請求できる方は,取引の安全の保護と本人のプライバシー保護の調和を図る観点から,本人,その配偶者・四親等内の親族(閉鎖事項証明書については,相続人その他の承継人),成年後見人など一定の方に限定されています。なお,取引相手であることを理由に,請求はできません。
申請に必要な添付書面の詳細については,Q27をご覧ください。
また,本人などからの委任を受けた代理人も,本人などに代わって証明書の交付を請求することができます。
登記事項の証明書・登記されていないことの証明書の申請用紙はどこにありますか?
A26
下のいずれかを選び,用紙を出力することができます。また,東京法務局の後見登録課のほか,最寄りの法務局または地方法務局(ページトップに掲載しているパンフレットの最終ページを参照してください。)若しくはその支局などで入手することができます。
※ |
証明書発行の都合上,印刷を行う際に,「ページ設定」などにより,用紙をA4縦長,余白を上下左右いずれも5mmに設定してください(この設定で出力した際に2枚になったり,はみ出る部分がある場合は,適宜余白の再調整を行ってください。) |
※ |
PDFファイルに直接入力して申請書を作成することができます(注)。
証明書発行の都合上,印刷を行う際に,「印刷設定―用紙サイズに合わせる」を選択するなどして,必ずA4縦長の用紙の四隅のマーク(━及び■)が印字されるように調整してください。 |
(注)
Adobe Acrobat Reader以外のPDF閲覧ソフトを使用されていると,正しく入力できない場合があります。
例えば,パソコンのOSとしてWindows10を御使用の場合,初期状態では,Windows10標準のブラウザであるMicrosoft Edgeを使用してPDFファイルを閲覧する状態となっていますが,この状態では「登記されていないことの証明申請書」に直接入力することができません。そのため,PDF閲覧アプリとしてAdobe Acrobat Readerを使用するようパソコンを設定していただくか,ブラウザをInternet Explorer11等に変更の上,Adobe Acrobat Readerを使用してPDFファイルを開いてください。
○窓口申請の場合→ |
申請書を直接,東京法務局の後見登録課及び東京法務局以外の各法務局・地方法務局戸籍課の窓口に提出する。 |
○郵送申請の場合→ |
返信用封筒(あて名を明記の上,返信用切手を貼付した長3サイズのもの)を同封して下記の東京法務局の後見登録課へ送付する。 |
提出先:〒102-8226 |
東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎(4階) |
東京法務局民事行政部後見登録課 |
(交通:地下鉄九段下駅6番出口 徒歩5分) |
Tel 03-5213-1234(代表),03-5213-1360(ダイヤルイン) |
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登記事項の証明書・登記されていないことの証明書の申請に必要な添付書面には,どのようなものがありますか?
A27
本人の配偶者または四親等内の親族が証明書の交付請求をする場合には,本人との親族関係を証する書面として戸籍謄抄本や住民票等を添付する必要があります。本人からみて祖父・祖母,孫,叔父・叔母及び,姪・甥など,本人との親等が離れている親族について,本人との親族関係を証明するには,複数の戸籍謄抄本等が必要になることがありますのでご注意ください。戸籍の父母欄又は住民票の記載から親族関係が分かれば結構です。
法人が証明書の交付請求をする場合には,その法人の登記事項証明書を添付することが必要となります。
本人から委任を受けた代理人が,本人に代わって証明書の請求をすることもできますが,その場合には,委任状を添付することが必要となります。
※ 証明書を交付する際には,免許証・保険証など本人確認のための資料の提示・提供をお願いしております。窓口で申請される場合には係員の指示に従って提示願います。また,郵送で申請される場合には,あらかじめコピーしたものを同封いただけますようお願いいたします。
※ 添付書面の原本の還付(返却)を希望される場合には,申請の際,添付書面の原本及びその謄本(原本の写しに相違ない旨を適宜の箇所に記載し,申請される方が記名押印したもの)を合わせて提出(送付)してください。
郵送による証明申請の場合には,証明書返送用の封筒に,還付(返却)する添付書面の原本の分も含め必要となる額の切手を貼ってください。
なお,当該申請のためにのみ作成された委任状その他の書面については,還付(返却)できません。また,不正な申請のために用いられた疑いのある書面については,還付(返却)いたしません。
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登記の申請や登記事項の証明書の交付の請求をオンラインによりすることができますか?
A28
住所変更等により登記の内容に変更が生じたときに行う「変更の登記」の申請や本人の死亡等により法定後見または任意後見が終了したときに行う「終了の登記」の申請及び「登記事項の証明書」や「登記されていないことの証明書」の交付請求については,インターネットを利用してオンラインにより手続をすることができます。